骨折 【こっせつ】

骨折イラスト

〈骨折の目安〉
・腫れる
・形の変形
・皮膚の色の変化
・動かしたり、触れると激しい痛みがある
・動かせない
 このような症状の時は早急に専門の診断が必要です。

一般的な骨折の症状には限局性圧痛というものがあります。限局性圧痛とは、痛めた箇所を指などで押すと骨折部位に限局した圧迫痛を触知するもので、転んで手を突いた後に手首のあたりが痛くなったら手首の骨を押してみて、骨の上に強い痛みを感じたら骨折または不全骨折(ひび)の可能性が高いといえます。
また、前腕に骨折を生じた場合、手部より肘の方へ長軸に圧力を加えると前腕の骨折部分に痛みを感じます。これを軸圧痛(じくあつつう)・長軸圧痛(ちょうじくあつつう)といい、打撲などとの鑑別診断の目安となります。骨折により骨が離断している場合、その骨折部位を押すと「ぎしぎし」といった音を触知します。この音は軋轢音(あつれき おん)といって、骨折した骨どうしがこすれて起こるもので、骨折特有の症状でもあります。
又骨折を起こすと、折れた部分より出血が起こります。このため、骨折部を中心に皮下出血や強い腫れが現れます。
骨折を起こした、または起こした疑いのある場合は、患部を副子(板・棒・杖・傘等)や包帯・三角巾などで固定してください。
骨折を起こし、骨がずれて曲がってしまうことを転位(てんい)といいますが矯正しないと曲がったまま骨がついて機能的に障害を残すことになりますので、必ず専門家による検査と整復(骨を正常な位置に戻す)を受けてください。

   
     
 

脱臼【だっきゅう】

関節がはずれることで、
顎(あご)・肩・肘・指によくおこります。
早急に専門の処置が必要です。

脱臼は関節から骨の関節面がはずれることです。関節から骨がはずれると本来の関 節の動きが不能となり、無理に動かそうとしてもバネのように反発します。これを弾発固 定(弾発抵抗)といいます。この症状が脱臼特有の症状です。
脱臼には、肩の脱臼、肘の脱臼、顎の脱臼、股関節の脱臼、膝の脱臼、指(手・足)の脱臼があります。
特に肩、肘、指は多発する部位です。
幼児に多くみられる肘内障(ちゅうないしょう)は肘の不全脱臼で母親などが 手を強く引っ張った時良く起こります。
どの脱臼でも問題になるのが、習慣性脱臼(いわゆるくせになる状態)です。
脱臼を生じると、関節が動かなくなり、激しい痛みが起こります。突き指などで脱臼した際に、安易に引っぱって整復する方もいますが専門知識をもたない人が安易に整復することはよくありません。ときには骨折を伴っていたり、靱帯や軟骨の重度の損傷をしていることもあり、むやみに引っぱったりせず、患部を安静に支え速やかに受診してください。

   
     
 

捻挫【ねんざ】

関節をつなぐ靭帯や血管が傷ついた状態で
関節が腫れ、内出血で皮膚が変色したり
動かなくなったりします。

捻挫とは、正常な運動範囲を超えて力が加わったために、関節が外れかかり関節周囲の構成組織を損傷した状態を言います。関節は2つ以上の骨を靱帯や軟骨などで連結された構成体で、靱帯は、関節を支え、関節の運動方向を誘導する役割があります。また関節軟骨はスムーズな関節運動を可能にしています。捻挫を起こすとその靱帯や軟骨を傷つけ、関節の機能を損ない関節運動(屈曲・伸展・捻転)に支障をきたします。
捻挫を起こすと関節包靱帯を損傷し滑膜層に炎症が起こるため腫れが発生します。損傷の程度によりますが靭帯などが部分断裂を起こすと、その部分より出血を生じ、見た目にも青黒く皮下出血が広がっていきます。このような内出血を生じたものでは、固定が不十分だと関節が動くたびに傷ついた靱帯の再生を妨げ、関節の修復に時間がかかります。損傷した部分を指などで押すと痛みがあり、これを圧痛といいます。この圧痛により傷めた部位の特定ができます。
捻挫を起こしたらまず患部を冷やし、安静にして、包帯やテーピングテープなどで患部を動かさないように固定することが大切です。応急処置をしたら、なるべく早く受診して下さい。

   
     
 

打撲【だぼく】

強くぶつけたり、誤って物を落としたり、
ちょっとした打ち身でも
なかなか痛みがとれないことがあります。
軽く考えないで受診しましょう。

打ち身と呼ばれているもので、どなたでも経験があると思います。打撲をすると皮下組織を傷つけ出血するため、皮下に青黒く出血が出現し、腫れてきます。
軽度の打撲であれば、湿布を貼って包帯で圧迫固定をすれば1週間ぐらいで完治します。しかし、関節周囲の強い打撲では関節運動のたびに傷ついた組織が動き、同じ程度の関節周囲以外の打撲と比較して、通常よりも多くの内出血や腫れが起こり後に関節拘縮(関節が固まって動かなくなる。)を生じる恐れがあります。関節拘縮を起こすと長期の治療期間を要し、場合によって関節拘縮が完全に治らないこともあります。関節周囲の打撲や重度の打撲では受診が必要です。

   
     
 

挫傷【肉ばなれ】

運動中や運動後に 急に筋肉にしこりができたり
動かすと痛んだりします。
筋肉の組織が切れ、その中の
血管や筋繊維も切れて生じる症状です。

急激な牽引作用や捻転作用によって筋肉や筋膜の線維を損傷したものが、良く言う肉離れで、筋肉繊維や筋膜組織の断裂です。又筋肉と骨を連結している腱を挫傷したものを腱挫傷と言い、重度ではアキレス腱断裂などの腱断裂を生ずる場合もあります。腱挫傷後、損傷部位を過度に動かしていると腱鞘炎や腱炎の原因にもなります。
接骨院で扱う挫傷はこの筋や腱の挫傷です。患部を冷やし、固定し受診して下さい。

 

   
         

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